栄養士としてのキャリアアップとは?
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「栄養士としてキャリアアップしたい。」

漠然とこのように考えている栄養士は多いでしょう。

でも、栄養士にとってのキャリアアップってなんでしょうか?

 

部長や課長に出世?

委託から直営に転職?

独立してフリーランス?

 

人によって考えていることは違います。

今回は僕にとっての栄養士としてのキャリアアップについてお話します。

栄養士にとってのキャリアアップとは?

部長や課長に出世する

出世することで得られるものは?

僕がはじめて就職したのは委託給食会社でした。

当時の僕は栄養士としてのキャリアアップとして「出世」を考えていました。

 

それは「支配人」と呼ばれる役職や、「事業部長」など委託給食会社の社員として肩書きを変えていくことが自分にとってのキャリアアップだと考えていました。

上司との飲み会に付き合ったり、社内の研修に出ることで少しずつ出世コースでは進んでいました。

しかし、徐々に考えは変わっていきます。

 

それは、自分の上の役職の人たち、つまり自分がこれから目指そうとしている人みたいになりたくないと感じたからです。

 

出世すれば基本給は上がりますが、残業代はつかなくなります。

また、事業所の経営管理を担当し、数字を求められます。

上からはせっつかれ、下からは不満をぶつけられる。

ストレスだらけの中間管理職です。

 

また、出世すればするほど経営管理や労務管理などの仕事が増えます。

管理栄養士として働いているのに、栄養士らしい仕事はありません。

冷静に考えた時にこれは栄養士としてのキャリアアップとは違うのではないかと感じました。

もちろん、出世することは悪いことではありません。

ただ、委託給食会社で役職につくことは「栄養士としてのキャリアアップ」という言葉に適さないイメージです。

では、委託ではなく病院ではどうなのか。

病院で出世すれば栄養士のキャリアアップ?

僕は直営病院にも勤務していました。

僕のいた病院の課長は役職についたことで管理業務が増え、栄養相談などの栄養管理の仕事ができなくなったと言っていました。

病院でも出世することで栄養管理の仕事から離れる可能性がある。

それも栄養士としてのキャリアアップとはズレていていると思います。

 

委託や直営病院で役職につくことは栄養士としてのキャリアアップではなく「社会人としてのキャリアアップ」です。

社会人としてのキャリアアップを目指すのであれば出世はいいかもしれません。

しかし、「栄養士としてのキャリアアップ」ではないでしょう。

 

委託から直営病院に転職する

直営病院の管理栄養士=栄養士っぽい?

「まずは、委託からはじめて、直営の病院に行こう」

このように考えている栄養士は多いです。

 

実際に僕も委託給食会社に2年弱務めたあとに直営病院の管理栄養士に転職しました。

「直営病院の管理栄養士になれば資格を生かした仕事ができる!」

そう考えていたのは事実です。

 

しかし、実際に就職してみて考えは変わりました。

僕がしていた仕事の大半は調理や事務。

栄養士らしい仕事はしていませんでした。

 

もちろんこれは病院によっても変わります。

調理を全くせずに栄養相談などを中心に行う病院もあります。

では栄養相談などができる仕事に就くこと=栄養士のキャリアアップでしょうか?

栄養相談はあなたのしたいことですか?

栄養相談は栄養士の仕事してもかなり重要です。

直接、患者さんとお話して相手の食生活を変えていく。

素晴らしい仕事ですよね。

しかし、病院でも栄養相談も場所によってさまざまです。

 

マニュアルがガチガチで余計なことは言えない栄養相談。

医師の診察のおまけで重要視されていない栄養相談。

日々の忙しい業務に追われて、できる限り効率よく終わらせることを考えて栄養相談。

etc…

 

同じ栄養相談でも場所によってさまざまです。

もちろん患者さんと向き合って、治療のために全力を尽くしている栄養相談もあります。

ここで言いたいことは、「栄養相談ができること」=「栄養士のキャリアアップ」ではないかもしれないということです。

 

直営病院に転職することも、必ずしも栄養士のキャリアアップにはならないようです。

では、独立はどうでしょうか?

独立してフリーランス

フリーランスこそが最善なのか?

「だったら、やりたいことができるフリーランスが栄養士としてのキャリアアップには一番だ!」

このように考えて、最近はフリーランスを目指す栄養士も増えています。

では、フリーランスになることは栄養士としてのキャリアアップとしては最善なのでしょうか?

 

まず、考えてほしいことがあります。

それは、「フリーランスになるのは楽ではない」ということです。

僕個人の考えでいうと「楽しい」ですが、「楽」ではないです。

 

このニュアンスはかなり大切です。

楽しいというのはなんとなくわかると思います。

会社に縛られずに自由に生きているわけですし、自分の好きなことを仕事にできていますからね。

 

では「楽」ではないということはなんでしょうか?

あなたは仕事を用意してもらえていた

独立してわかることがあります。

会社を成り立たせるのにはさまざまな仕事があります。

 

人事や経理、総務、営業、商品開発、マーケティングetc…

もちろん会社の規模により仕事は変わります。

でも、今まで自分が関わってこなかった世界です。

 

そして独立するということはこれらの仕事を全て自分でやる。

もしくは一部を外注先するために外注先を自分で探す。

 

これらのことはしなければなりません。

これは「楽」ではないのです。

 

時間、お金、手間がかかります。

そして、なにより「考える力」が必要です。

 

会社員は会社にいけば、仕事があります。

ですが、独立すると仕事は自分で作り出すものです。

 

やることはシンプルですが、「楽」ではないということは覚えておいてください。

そして、こういった仕事は栄養士のキャリアアップといえるかというと疑問です。

お金の計算をしたり、事務的なことをすることは栄養士らしい仕事ではないですよね。

自分のやりたいことだけをやることは初期はほぼ不可能です。

 

もちろん成長する中で栄養士らしい仕事に集中することはできます。

しかし、独立してフリーランスになったからといって、それが「栄養士のキャリアアップ」かというのも考え方次第です。

いろいろな仕事をするのもフリーランスですからね。

結局なにが栄養士のキャリアアップなのか?

あなたの欲しいものはなんですか?

「じゃあ、一体どうすれば栄養士はキャリアアップできるんですか?」

こう言われてしまいますね。

 

ただ、ここまで記事を読んでいただいたあなた考えてほしいことがあります。

 

それは「キャリアアップすることでなにが欲しいのですか?」ということです。

 

お金ですか?

権威ですか?

肩書きですか?

人脈ですか?

やりがいですか?

 

あなたはなにが欲しくてキャリアアップを望んでいるのですか?

まずは、それを考えなければなりません。

 

そもそも「栄養士としてのキャリアアップ」なんてものは存在しません。

 

正しくは「あなた自身のキャリアアップ」であり、それは「栄養士として」である必要もないかもしれません。

あなたが「キャリアアップ」することで欲しいと思っているもの。

それが手に入るのであれば、「栄養士」にこだわる必要はないのです。

 

栄養士という肩書きはあくまでキャリアアップするための手段です。

その肩書きを生かして、あなたが欲しいと思っているものを得るのに利用してください。

 

自分の資格に縛られてはいけません。

資格に縛られているうちは本当の意味での「キャリアアップ」を得ることはできないのですから。

 

「食」を通じて社会に貢献したい

これは僕が「キャリアアップ」に求めていたものでした。

もっと具体的にお話します。

 

せっかく、国家資格をとって「食の専門家」の位置になったのでそれを使う方法はないか?

そして、それで会社員以上の収入を得る方法はないのか?

早番や遅番など会社の都合で時間に振り回されずに仕事できないか?

そして、それらを実現したうえで社会に貢献する方法はないか?

 

そう考えました。

僕が欲しかったのは「食の知識の利用」と「会社員以上の収入」そして「時間的自由」を実現できる仕事でした。

僕の場合はそれを実現するのに「独立してフリーランス」ということが必要だったんです。

 

人によってキャリアアップは違う

僕の友人の話もさせてください。

友人の場合は「安定的な収入を得ながら、空いた時間に好きなことができるようになること」がキャリアアップでした。

そのために、友人が選んだのは「委託の総合職として働きながら、空いた時間に【食】に関わる仕事をすること」という方法です。

 

会社に仕事を用意してもらい、安定的な収入はある。

でも、空いた時間に「食」に関わる仕事をすることで副収入も得ることができる。

 

自分にとって欲しかった、「安定」と「収入」はこの方法で得られたということです。

これも自分の欲しいものを得られているのですからキャリアアップとしては正解です。

僕は「独立してフリーランス」でしたが、友人は「委託の総合職と副業の栄養相談」です。

場所や肩書きでキャリアアップは決まらない

僕は「フリーランスの栄養士」ですが、友人は「委託の栄養士」です。

でも、どちらも「キャリアアップ」しています。

自分の望んでいる結果を手に入れているのですから。

 

あなたも「栄養士のキャリアアップ」という言葉に惑わされてはいけません。

あなたが「人生において欲しいと思っていること」をベースに考えてみてください。

それを手に入れる方法が「キャリアアップ」です。

 

それは委託でも直営でも、フリーランスでも手に入れることができます。

それを手に入れるために最も効率のいい方法を探すことがあなたのすべきことです。

 

まずは、「なぜ、キャリアアップを望んでいるのか?」考えてみてくださいね。

それが「栄養士としてのキャリアアップ」から「あなたにとってのキャリアアップ」に気づき、欲しいものを得ることができる第一歩です。

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