やっちゃいけない資産運用④ 積立保険
保険の営業マンがススメる保険
今日は、積立型の生命保険についてお話します。
いわゆる、終身保険というやつですね。
保険の営業マンの方から必ずススメめられるのがこの終身保険と呼ばれる積立型の保険です。
営業トークとしては
「貯金しても利息なんてほとんどつかないですよ!」
「終始保険なら積立貯蓄できるので保険料が無駄になりません!」
「しかも、金利は銀行よりもいいんです!」
「万が一のことが起きた場合の保険にもなるので一石二鳥ですよ^ ^」
こんな感じでおすすめされます。
しかし、僕自身はこの積立型の保険である終身保険はおすすめしていません。
僕が積立保険をおススメしない理由
積立型の保険とは、保険に入りながら貯金もできるのがメリットとされています。
銀行の金利(現在だと0.01%)よりは利息が高く、30年積立で、1.1倍になります。
たとえば、
毎月2万を積み立てると・・
2万円×12×30年=720万円
満期になると800万円が自分の手元に返ってきます。
ただ銀行に貯金しただけの場合、
720万円だと30年いれておいても、+10万円程度にしかなりません。
だから銀行に預けるよりいいとおもって始める人が多いんです。
ただ、保険と資産運用はわけて考えるのがベストです。
ふつう、保険というのは病気や事故など万が一に備えて入るものであり、
資産運用は将来の資産形成のためにするものです。
目的がそもそもちがっているのに、同じ保険の中ですすめていくことはあまり賢いやり方とはいえません。
なぜ、積立保険でお金増える?
1.途中解約して損した人がいるから
積立保険を途中で解約すると、かけた額よりも手元に戻るお金は減る仕組みになっています。
たとえば、さきほどの例と同じように月2万円を30年間積み立てたとします。
月2万円×12×30年=720万円。30年満期だと800万円になり、+80万円になってかえってきます。
しかし、20年で途中解約すると、480万円。
解約手数料がかかるので、実際、手元に戻るのは440万円程度になってしまい、途中解約は必ず損をしてしまいます。
積立保険でお金が増える理由は、なんらかの理由で途中解約をして、損を出した人の分で、他の人の利益を補っているからなんです。
また、子どもの学費など、急にお金が必要になり、途中で解約する人がほとんどなので保険会社側はすべての人が満期になる想定で商品をつくっていません。
満期を待たずに途中で解約する可能性があるのであれば、積立保険より貯金をする方がよいと言えます。
2.預けたお金を保険会社が運用しているから
もうひとつの理由は、保険会社がお客からあずかったお金を運用することで、運用益を出して儲けているからです。
たとえば、年利が8~10%の複利運用をすると、30年後には3000万円になります。普通に貯金していたら720万円なので、その差は2300万円です。
しかし、間に保険会社を挟むことで余計な手数料がかかったり、本来の年利を知らされずに運用されていたりと、自分が手にできるお金は減ってしまいます。
たとえば、保険会社を介する事で、本来8~10%で運用できるものを、1%で運用されている。手元に戻ってくるお金は満期で800万円。
本当は3000万円儲かっているのに、本人に返すお金は800万円で、保険会社の取り分は2200万円となる。
しかも、直接、自分で運用をしても、保険会社を間に挟んで運用しても、自分にかかるリスクはまったく変わりません。
手元に戻ってくるお金だけが違うのです。
1年単位でみると、1%ってそんなに変わらないとおもうのですが、保険会社のように20~30年の長期で運用するものは1%の差がかなり大きい金額になります。
だから保険会社は儲けをうむことができ、東京の一等地にビルを構えることができちゃうんです。
積立保険は保険会社をうるおわすための商品であり、資産運用をしたいのであれば、直接自分で買った方が利益が出るというのが僕の答えです。
生命保険のかわりにならない?
積立型の生命保険は自分が積み立てる額の範囲内にしかなりません。
毎月2万円、30年積み立てても、もらえる保険金は最大で800万円程度です。
800万円の生命保険であれば掛け捨て保険で十分にまかなえます。
掛け捨て保険だと保険料は、月1000円~2000円。
積立保険だと、月2万円がかかります。
しかし、保証内容はまったく同じなんです。
掛け捨てだとお金を返すことを考えなくていいので、保険会社も保証を厚くできるんですね。
そもそも、お金の価値は一定ではありません。物価は常に変動していて、30年で2倍のスピードで物価は上がっています。
100万円の積立保険が30年後には、200万円になっていないと、わりにあいません。
貯金に比べたらマシかもしれませんが、物価の上昇に合わせて価格が倍になっていないと、それは損をしている証拠なのです。
では、なぜ営業マンは積立保険をすすめるのか?
営業マンが月3~5万円の商品を売ると、積立金額の4~8倍の収入が営業マンに入ります。5万で売ったら20~40万円が営業マンの懐に入るということですね。
相手にとっていい保険を売りたい人より、自分が儲かる保険を売りたい。
これが営業マンの本音です。
だから、買う側のデメリットを隠して、
「年金がわりにはいりませんか?」
「貯金しても利息なんてほとんどつかないですよ!」
「終始保険なら積立貯蓄できるので保険料が無駄になりません!」
「しかも、金利は銀行よりもいいんです!」
「万が一のことが起きた場合の保険にもなるので一石二鳥ですよ^ ^」
と、良いトコロだけを見せて、商品を買ってもらうのです。
保険会社がなぜ儲かるか?もうけはどこにあるか?
これを考えると、冷静になることができます。
僕だったら、月2万円の積立保険よりも、月2000円の掛け捨ての生命保険に入り、残りの1万7000円(年間約20万円)を金融投資、もしくは自己投資にまわして、収入をあげること・資産をふやすことを考えますね。
まとめ
・資産運用と保険の役割は分けて考える。
・もし資産運用がしたいなら、保険でかう必要はない。
・生命保険の役割がほしいなら、掛け捨てで良い。
・高い保険料の支払いに毎日の生活が苦しくなるだけ。
・積立保険の支払いがつらくなって、途中で解約したらかなりもったいない。
・掛け捨てならそんな心配はない。