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DC株レポート
(A.O.スミス)

A.O.スミスとは?

給湯機と浄水器の会社。創業は古く、1874年になり、歴史が150年近い会社。

 

日本での認知度は低いが、アメリカでは非常に有名な会社で、給湯器や浄水器の分野ではシェアが広がっている。

 

もともと自動車部品のメーカーとして創業し、1874年の段階では自動車部品として創業。

 

様々な機械を扱っていく中で、給湯器や浄水器の分野に目をつけ、給湯器や浄水器が求められる世の中の流れもあり、普及されるようになった。

(最初に給湯器の会社として大きくなり、その後浄水器の分野にも進出していった)

A.O.スミスの株を今後も長期にわたって持ち続けるに値する理由

 

A.O.スミスは

 

・アメリカNo.1の給湯器企業

・中国No.1の給湯器企業

・中国No.1の浄水器企業

 

つまり、給湯機の企業としてアメリカと中国で1位。浄水器の企業として中国1位。

(市場占有率が高く、その分野におけるNo.1シェアを取っているということ)

 

業界1位を取るというのは非常に大事。

 

なぜなのか?

①日本で一番高い山は富士山だと知っている人多いが、日本で2番目に高い山は?と聞かれて知っている人は一気に減る

 

②買い物をする際に、よく考えたらそのアンケートの信用性がどれだけ高いのかはわからないが、ランキングNo.1とあると安心する

 

このように、何かをモノを検討しようとなったときに、その業界で1位となっている企業の商品が選ばれやすい。

 

シェア1位を取っている、影響力の大きい会社がすでに存在していると、新規参入の会社は同じ条件だとまず選ばれない。

 

信用力がある会社が選ばれやすいので、一度その分野で1位を取り、その地位を守り続けるのは企業にとって大きなアドバンテージとなる。

 

その視点で考えると、給湯器の企業としてアメリカNo.1、中国No.1を取ってるA.O.スミスは市場独占率の高さから信用される企業に値することになる。

 

 

A.O.スミスは独自の流通網を持っており、浄水器の部品などを作っていく中で、その部品を取り扱っている企業と独占契約をして自社にしかその部品を売らないようにしている。

 

流通網①商品の運搬・設置

浄水器を社会に根付かせる際に、商品の運搬、設置など必要なことが多々ある。

 

A.O.スミスは浄水器の配送から設置までを独自の流通網で行うようにしており、自社サービスの中で完結する形をとっている。

 

・良い商品だけど梱包が雑

・設置・組立を頼んだら組み立てが下手だった

 

このようなクレームに繋がる可能性のあるものをできる限り排除している。

 

流通網②ホームセンター

ホームセンターと独自契約をしており、契約しているホームセンターで部品を購入する際に、A.O.スミスの部品が最優先で売られるようになる環境を整えている。

 

流通網③住宅メーカー

住宅メーカーとも契約し、住宅を購入する際の給湯器メーカーとしてA.O.スミスの商品が選ばれる流れを作っており、固定の売上が上がる仕組みを整えている。

 

このように、様々な企業と契約をし、独自の流通網を作ることでA.O.スミスの商品が選ばれる環境を整えている点が大きな強みとなっている。

 

新規参入の会社にシェアを奪われる可能性はないのか?

「A.O.スミスの商品より性能が良く安い給湯器」

 

そのような商品が出ればシェアを奪われる可能性はある。

 

しかし、A.O.スミスはその可能性を低くするためにより良い給湯器や浄水器を作るための研究開発に多くの資金をかけている。

 

研究開発費に資金をかけているので

 

・製品開発のコストを安くできる

・故障しにくい省エネ(維持費が安い)の商品が開発できる

 

A.O.スミスの商品には上記のような特徴がある。

 

つまり、

 

・A.O.スミスという会社自体に歴史も長く信用性が担保されている

・提供する給湯器は故障しにくい省エネ(維持費が安い)の商品

 

を実現することにより、ハウスメーカーに消費者から苦情が来ることもなくなり、顧客満足度も上がることになる。

 

つまり、ハウスメーカーともWin-Winの関係を築くことができている。

 

 

《ここまでのまとめ》

A.O.スミスは

①すでにアメリカと中国でNo.1のシェアを取っている

②独自の流通網を形成し、研究開発に資金を投資し、企業満足度も顧客満足度も上げている

 

 

これがA.O.スミスの強み。

 

財務について

ポイント①粗利益率

「粗利益率が40%前後であるか」が見るべき指標。

 

一般的に粗利益率が40%前後だと、その業界において揺るぎないビジネスモデルを構築できていると言える。

 

A.O.スミスは粗利益率が40%と高い会社で、しかもそれが一定水準を保っている。

 

※粗利益率=粗利益/売上×100%

※粗利益は売上からその商品の原価(材料費)を差し引いた利益

 

ポイント②営業利益

「営業利益が右肩上がりで増えているか」が見るべき指標。

 

企業における本業の利益に該当する営業利益が右肩上がりで増えていると、本業でしっかりと稼いでいることが分かる。

 

A.O.スミスは2011年の営業利益は0.14(1億4000万ドル)であったが、2020年には0.45(4億5000万ドル)まで増えている。

 

この10年ほどで営業利益が3倍になっており、かなり大きな成長を果たしていることが読み取れる。

 

営業利益率は2011年に8%、2020年は15%前後であり、営業利益、粗利益率を見ても財務は非常にすばらしいということが見て取れる。

 

※営業利益率=営業利益/売上×100%

※営業利益は売上かららその商品の原価(材料費)と営業活動費(家賃、人件費、広告費など)を差し引いた利益

 

ポイント③長期借入金

「長期借入金の金額が少ないか」が見るべき指標。

 

長期借入金(借金)が多いと、急な返済や不況により売上が落ちきんだ際に支払うことができず倒産のリスクが高まる。

 

A.O.スミスは長期借入金は2011年は0.02(2000万ドル)、2020年では0.01(1000万ドル)ほど。

 

この金額は、営業利益1か月分ほどになるので、不況になったとしても現在の借金は1ヶ月分の営業利益ですぐに返済ができる。

 

つまり、不況により資金が底をつく可能性は限りなく低い。

 

ポイント④総資産(純資産)

「総資産(純資産)が長期で見た際に増えているか」が見るべき指標。

 

純資産は資産ー負債で計算され、企業にどのぐらい資産が貯まっているのかという資産状況を表している。

 

A.O.スミスは2011年には1.01(約10億ドル)だった資産が2020年には1.8(18億ドル)まで増えている。

 

この10年で800億ほど資産を増やしており、利益を出し会社の価値を高め続けてきたことが読み取れる。

 

同じく内部留保についても2011年の0.737(約7000億ドル)から2022年には25億ドルまで上がっておおり、3.5倍ほどになっている。

 

※内部留保とは毎年どれほどの利益を積み上げているのかを表したもの

 

ポイント⑤配当

「配当が長期で見た際に増えているのか」が見るべき指標。

 

配当は購入した株数に応じて定期的に支払われるお金のこと(イメージは銀行の利息)。

 

A.O.スミスは2011年に1株あたり0.15ドルだった配当が、2020年には0.98ドルまで増えている。

 

配当がこの10年で6.5倍になっており、1万円だった配当がこの10年で6万5000円になったというイメージ。

 

A.O.スミスの株主に還元しようという姿勢がすごく表れているのが見て取れる。

 

 

《ここまでのまとめ》

A.O.スミスの財務は

 

①高い粗利益率を維持している

②営業利益が増えている

③長期借入金(借金)が少ない

④総資産(純資産)が増えている

⑤配当が長期で見ると増えている

 

 

財務の視点でも非常に盤石な基盤が作れているのが読み取れる。

 

 

アメリカと中国でNo.1のシェアをとり、これから展開を目指しているのがアジア市場(特にインド)。

 

・インドは人口が増え続けている

・人口増加により貧困層から一般層に変わる人が増え、家を購入する人が増える

 

つまり、給湯器や浄水器を利用する人が今後、さらに増えることが予想できる。

 

実施にA.O.スミスは近いうちにインドNo.1の給湯器・浄水器メーカーになるだろうと言われている。

 

アメリカ、中国に留まらず、世界に自社の製品を今後も拡大していくという点でA.O.スミスはさらに今後も伸びていくことが予想される。

 

A.O.スミスはDC株の中で歴史が古い会社でありますが、ここ10年ぐらいの伸びはかなり良かった会社。

 

Appleなどもこの10年ほどで非常に伸びたが、A.O.スミスの配当や利益の増え方は非常に目を見張るものがある。

 

さらにインド市場に展開していくとなったら、まだまだ伸びる余地がある。

 

 

《このレポートのまとめ》

A.O.スミスは

①アメリカと中国でNo.1の給湯器シェアを取っている

②独自の流通網を形成し、研究開発に資金を投資し、企業満足度も顧客満足度も上げている

 

財務においては

③高い粗利益率を維持している

④営業利益が増えている

⑤長期借入金(借金)が少ない

⑥総資産(純資産)が増えている

⑦配当が長期で見ると増えている

 

今後は

アジア市場(特にインド)に展開の幅を広げ、インドNo.1の給湯器・浄水器メーカーになる可能性が高い